1968年/フランス、イギリス
監督/ジャック・カーディフ
原作/アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ
主演/アラン・ドロン/マリアンヌ・フェイスフル

Medallion Media CO.
あの胸にもういちど
60年代の華ともいうべき存在のマリアンヌ・フェイスフルと当時人気絶頂にあったアラン・ドロンし、疾走するハーレーとラブシーンが耽美的な映像は伝説となっている。朝、小鳥のさえずりは聞えているが、まだ完全には明けきっていない。軽い寝息をたてている夫レイモンの傍を離れると、レベッカは黒皮のレーサー服に裸身をすべりこませ、部屋を出た。裏庭の車庫から、ディオニソスと名づけた1200CCのオートバイを引きだすと、ハイデルベルクへ向けて出発した。ハイデルベルクには、恋人ダニエルがいる。 レベッカはレイモンとの婚約旅行のスキー宿でダニエルと出逢い、お互いに惹かれあった。結婚祝いにダニエルが彼女におくったディオニソスを駆って、今、ダニエルに会いに行こうとしている。彼女は想像する。数分後にダニエルに抱かれている自分を。

1971年/ソ連
監督/セルゲイ・パラジャーノフ
主演 /ソフィコ・チアウレリ/M・アレクヤン
    /V・ガスチャン
zazie films
ざくろの色
生涯に4作品しか長編を撮っていないセルゲイ・パラジャーノフは、時の権力に抗し、官能と陶酔に向かってイマジネーションの飛翔を続けた偉大な芸術家であり、タルコフスキーと並び賞され、ゴダールには多大な影響を与えた巨匠である。「ざくろの色」は、18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯を描いている。しかし、ここには普通にあるような物語が語られることはない。美しい映像には、セリフはほとんど無く、役者達は人形めいた無表情さで、パントマイムのような演技をする。また、ソフィコ・チアウレンが、一人で青年詩人・詩人の恋人・尼僧・天使・パントマイムを演じるという風に、一人の役者が複数の役をこなしている。謎めいや様式美に彩られた夢幻的で作り物めいた独特の雰囲気を醸し出している。

1952年/フランス
監督/ジャック・タチ
主演/ジャック・タチ/ナタリー・パスコー

zazie films
ぼくの伯父さんの休暇
隠れた人気の「ぼくの伯父さん」の主人公ユロ氏が最初に登場した作品がこれ。多くの人々でにぎわっている避暑地へ、得体の知れない中年男ユロ氏がやって来て、悪気はないけどどっかズレてて失敗して、次々と起こるドタバタ騒ぎ。ユロ氏は、夜中に大きな音でジャズのレコードをかけたり、花火小屋に間違って火をつけたり、騒動を起こすこと度々だが、次第にみんなと親しくなった。乗馬やダンスで金髪美人のマルチーヌとも仲良くなり、珍妙なプレイのテニスで、アメリカのオールド・ミスとも懇意になった。が、気心が知れてくる頃、休暇のシーズンは終りになる。人々は、荷物をまとめて次ぎ次ぎに引き上げてゆく。そして、一番あとまで残ったユロ氏も、ポンコツ車にてこずりながら、あいかわらず、ひょうひょうと、帰って行くのである。

1954年/フランス
監督/ジャン・ルノワール
主演/ジャン・ギャバン /フランソワーズ・アルヌール    /ミシェル・ピッコリ

zazie films

フレンチカンカン
印象派の画家オーギュスト・ルノアールの次男で、世界最高の映画作家と言われるジャン・ルノアールが絢爛たる色彩と躍動感でフレンチ・カンカンの誕生と「ムーラン・ルージュ」が開業するまでのてん末を描いた作品。
1888年のパリ。興行師ダングラアルの経営する寄席“シナ屏風”から物語は始まる。ダングラアルに見出され、この寄席のスターとなったロオラは烈しい気性そのままダングラアルを熱愛していた。しかし、彼の事業の出資者であるヴアルテル男爵が彼女につきまとっていた。ある夜、モンマルトルへ行ったダングラアルは、“白い女王”というキャバレーで、恋人のポオロとカンカン踊りに興ずる小娘ニニの新鮮さに驚かされ、カンカン踊りを新しいショーとして興行する決心をした

1959年 /ソ連
監督/グリゴーリ・チュフライ
主演/ウラジミール・イワショフ/ジャンナ・プロホレンコ   / アントニーナ・マクシーモヴァ
1960年カンヌ映画祭最優秀 特別作品賞

ロシア映画社
誓いの休暇
一少年兵の帰郷を軸に、反戦をうたいあげた作品。「反戦映画」と言っても、この映画で声高に反戦を訴えるシーンはない。淡々と少年兵の旅を追う。戦争映画というより少年少女の淡い恋がまぶしく切ない映画でもある。
少年兵アリョーシャは、二台の戦車を炎上させて英雄となり、特別休暇をあたえられた。その中で一人の少女シューラに会った。最初は警戒していたシューラも、やがて彼に好意を抱くようになったが、二人は、互の住所もしらぬまま別れた。もう休暇は残り少ない。
戦線への帰途の時間を計算すると、アリョーシャは母親と、ほんの一瞬しか会っていることができなかった。畑で働いていた母は、涙で息子のトラックが遠ざかるのを見送った。そして、アリョーシャの姿は二度と、もう故郷に戻らなかったのである。

1990年/フランス
監督/エリック・ロメール
音楽/ベートーヴェン 、シューマン
主演/アンヌ・ティセードル/フロランス・ダレル

フランス映画社
春のソナタ
巨匠ロメールが10年かけて描いた四季の愛の物語「四季シリーズ」の第1作。春のパリを舞台に偶然出会った二人の女性が周囲の人々をも巻き込んで織り成す微妙な恋愛心理を、描くドラマ。ジャンヌは高校の哲学教師。自分のアパルトマンを数日間いとこに貸すつもりが、乗っとられた形になってしまい、恋人は出張中、行き場もなく困っていた所、パーティで音楽学校へ通うナターシャと知り合い彼女の家へ。ナターシャの父イゴールは彼女と同年代の恋人エーヴと同棲中で、家には彼女一人。エーヴと仲の悪いナターシャはどうやらジャンヌを父の新しい恋人にしたがっているらしい。翌週末、ジャンヌはナターシャと共にフォンテンヌブローの別荘に出かける。さて、この奇妙な人間関係の結末は?。